【第19回】アプリ翻訳のポイント:アプリ独特の言語表現(4)独特の表記

※本連載は、弊社刊『アプリ翻訳実践入門』の一部をコンパクトに再編集したものです。

キーワード:UIテキスト、連続操作

どの分野にも特徴的に用いられる言語表現があります。何回かに分けてアプリ独特の言語表現を紹介します。

UIテキストの表記方法

アプリに表示されるテキストには、画面の操作説明が頻出します。このときボタン名やメニュー項目といったUI要素は目立つように表記されます。

英語ではUIテキストをボールドにしておく方法が一般的です。しかし日本語では表記方法が異なることがあります。カギかっこ(訳例1)で囲ったり、半角の角かっこ(訳例2)で囲ったりします。

【原文】Click OK.
【訳例1】「OK」をクリックします。
【訳例2】[OK]をクリックします。

UIテキストをどのように表記するかは、翻訳依頼者のスタイルで指定されることがあります。

連続操作の表記方法

アプリでは、ユーザーが連続して選択する操作があります。

英語の場合、「>」(不等号)や「->」(ハイフンと不等号)を使う例が目立ちます。どちらも半角の記号です。これを日本語に翻訳する場合、英語のままにすることも、「→」(右矢印)にすることもあります。

【原文】You can change it on the Settings > Advanced > Display.
【訳例】「設定」→「詳細」→「ディスプレイ」で変更できます。

連続操作もUIと同様、翻訳依頼者のスタイルで指定されることがあります。

まとめ

  • UIテキストの表記は、英語ではボールドが一般的ですが、日本語ではカギかっこや角かっこを使います。
  • 連続操作の表記は、英語では「>」や「->」、日本語では「→」を使うことがあります。

本記事の元になっている書籍『アプリ翻訳実践入門』の詳細および購入についてはこちらのページをご覧ください。