【第4回】可能(4)と草加

ITエンジニアが芭蕉と学ぶ英語構文

著者:西野 竜太郎(@nishinos

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登場人物

芭蕉

江戸時代の俳諧師。「おくのほそ道」の旅で、東北と北陸を巡って俳句を詠む。

曽良

芭蕉の弟子。「おくのほそ道」で芭蕉に随行する。

ワタシ

21世紀の英語翻訳者。「おくのほそ道」で芭蕉に同行してIT英語を教える。

これまでのあらすじ

21世紀への時間旅行を企てる松尾芭蕉は、まさに21世紀的な職業であるプログラマーとして旅行中の費用を工面しようとする。しかし「プログラマー35歳定年説」を知ると、すでに四十路半ばだった芭蕉は断念し、代わりに年齢に関係ない英語スキルを「おくのほそ道」の道中で学ぶことにする。

芭蕉は出発前に住居を他人に譲り、旅立つ。まずは舟で隅田川を遡り、千住で上陸すると徒歩で北に向かう。

可能(4)と草加

現在の東京都足立区である千住から歩き、草加宿(埼玉県草加市)で一泊する。

ワタシ

歩いているだけでは退屈ですし、英語の勉強でもしましょうか。

<バリバリバリ>

ワタシ

あれ、何か食べているんですか? 草加せんべい?

そう思ったじゃろう? 残念、これはワシの財布じゃ。ガハハ。

<バリバリバリ>

(マジックテープ式か……)

ワタシ

そ、それでは英語を始めましょう。

今日も「可能」を表現する構文です。ただしこれまでのように無生物主語ではありません。文全体を修飾する「With [名詞],」を使う構文です。

まずはサンプルの英文です。

With MyPhotoEditor, you can edit a photo easily.

MyPhotoEditorを使うと、ユーザーは写真を簡単に編集できます。

文頭のwithは道具や手段を表しています。この構文の一般的な形を見てみましょう。

<今回の構文>

With [名詞], [人] can [動詞].

[名詞] を使うと、[人] は [動詞] できます。

With [名詞]」の部分を文の最後に置いて「You can edit a photo easily with MyPhotoEditor.」のようにしても意味的には変わりませんよね?

ワタシ

はい、同じです。しかし文頭に置くことでそこを強調できるので、アプリや製品の宣伝文なんかでもよく見る構文です。

よし、その構文で作文してみよう。

With this microwave oven, laboratory members can send a text message to the past.

この電子レンジを使うと、ラボメンバーは過去に携帯メールを送信できる。

これでよろしいか?

ワタシ

はい、結構です。

(どういう意味……?)

◆  ◆  ◆

草加は日光街道で2番目の宿場であった。ここまで歩いてきて芭蕉は随分疲れているようだった。浴衣、雨具、墨と筆、さらに紙子かみこという防寒具を持参している上に、別れ際に餞別ももらった。

道のりはまだ長い。

…… 次回に続く

今回の地図

千住宿から、草加宿へ。地図は付近の草加市役所。