【第6回】不可能(1)と日光

ITエンジニアが芭蕉と学ぶ英語構文

著者:西野 竜太郎(@nishinos

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登場人物

芭蕉

江戸時代の俳諧師。「おくのほそ道」の旅で、東北と北陸を巡って俳句を詠む。

曽良

芭蕉の弟子。「おくのほそ道」で芭蕉に随行する。

ワタシ

21世紀の英語翻訳者。「おくのほそ道」で芭蕉に同行してIT英語を教える。

これまでのあらすじ

21世紀への時間旅行を企てる松尾芭蕉は、旅行中の費用をプログラマーとして働きながら工面しようとする。しかし「プログラマー35歳定年説」を知ると断念し、代わりに年齢に関係ない英語スキルを「おくのほそ道」の道中で学ぶことにする。

芭蕉は出発前に住居を他人に譲り、旅立つ。江戸から北に進み、現在の栃木県を旅している。

不可能(1)と日光

日光に到着し、東照宮へ参詣に向かった。

日光と言えば、見よ。曽良は頭を丸めてまぶしいくらいじゃ。

<ピカピカ>

ワタシ

そ、そうですね。

お前の頭も日光にしてやろうか! おい、曽良、そいつを取り押さえよ。

ワタシ

なんで電動バリカンが! や、やめて〜。ギャー!

<バリバリバリ>

ワタシ

……。

尊いまぶしさじゃ、ガハハハハ。

ワタシ

え、英語を始めましょうか……。

今回から「不可能」の表現を6回に分けて解説します。まずは無生物主語の「fail to」という構文を取り上げます。いつものようにサンプル英文から見てみましょう。

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お使いのブラウザーでファイルをダウンロードできませんでした。

Failed to open the document.

ドキュメントを開けませんでした。

2つめの英文では主語が省略されています。エラー・メッセージでは主語を省略した簡潔な表現をよく見かけます。この構文を一般的な形にしてみます。

<今回の構文>

[無生物主語] fail to [動詞].

[無生物名詞] で [動詞] できません。

では、試しにその構文を使ってみよう。

The Maihama server failed to restart.

舞浜サーバーは再起動できませんでした。

これでよろしいか?

ワタシ

はい、結構です。

(どういう意味……?)

◆  ◆  ◆

芭蕉は日光東照宮を訪れ、次の句を残している。

あらうと 青葉若葉の 日の光

(ああ、尊いことだ。青葉や若葉に降り注ぐ日の光は、まさに日光にふさわしい)

なお、日光東照宮には徳川家康がまつられている。芭蕉が訪れた1689年は江戸時代の前半に当たるが、創建後70年ほど経っている。

…… 次回に続く

今回の地図

室の八島(大神おおみわ神社)から、日光東照宮へ。