【第7回】不可能(2)と那須

ITエンジニアが芭蕉と学ぶ英語構文

著者:西野 竜太郎(@nishinos

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登場人物

芭蕉

江戸時代の俳諧師。「おくのほそ道」の旅で、東北と北陸を巡って俳句を詠む。

曽良

芭蕉の弟子。「おくのほそ道」で芭蕉に随行する。

ワタシ

21世紀の英語翻訳者。「おくのほそ道」で芭蕉に同行してIT英語を教える。

これまでのあらすじ

21世紀への時間旅行を企てる松尾芭蕉は、旅行中の費用をプログラマーとして働きながら工面しようとする。しかし「プログラマー35歳定年説」を知ると断念し、代わりに年齢に関係ない英語スキルを「おくのほそ道」の道中で学ぶことにする。

芭蕉は出発前に住居を他人に譲り、旅立つ。江戸から北に向かい、日光東照宮を参詣して旅を続けている。

不可能(2)と那須

3人は日光を出て北進し、那須の原野を歩いている。

ここは那須ですね。ナスと聞くとお腹が空きます。

ところでお主、ナスはどう数えるか知っておるか?

ワタシ

え? 1本、2本、じゃないんですか?

残念! 1台、2台、あるいは1TB、2TBじゃ。ガハハハハ。

それはNAS(Network Attached Storage)では……。

ワタシ

周囲は原野で何もありませんし、英語の勉強でも始めましょう。

今日も「不可能」の表現です。「prevent」という動詞を使った無生物主語の構文になります。まずは英文サンプルです。

This option will prevent macros from running.

このオプションを使うと、マクロは実行できなくなります。

Deleting this user might prevent you from searching for contacts.

このユーザーを削除すると、連絡先を検索できなくなる可能性があります。

2つめは「Deleting this user」(このユーザーを削除すること)が主語ですね。では、一般化した構文にしてみましょう。

<今回の構文>

[無生物主語] prevent [人/物] from [動詞]ing.

[無生物主語] を使うと、[人/物] は [動詞] できません。

preventは「防止する」と覚えていたのですが、「〜できない」と言いたい場面で使えるんですね。

では、その構文で何か書いてみよう。

This armor will prevent a humanoid from losing control of itself.

この装甲を使うと、人造人間は暴走できなくなります。

これでよろしいか?

ワタシ

はい、結構です。

(どういう意味……?)

◆  ◆  ◆

那須の原野を歩く途中、女の子が追いかけてきた。名前を聞くと「かさね」と答えた。それを聞いて曽良は一句詠んでいる。

かさねとは 八重撫子やえなでしこの 名なるべし 曽良

(女の子はナデシコの花に例えられるが、かさねという名前なら八重に咲くナデシコなのだろう)

…… 次回に続く

今回の地図

日光東照宮から那須野へ。地図は現在の西那須野駅。