【第10回】不可能(5)と遊行柳

ITエンジニアが芭蕉と学ぶ英語構文

著者:西野 竜太郎(@nishinos

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登場人物

芭蕉

江戸時代の俳諧師。「おくのほそ道」の旅で、東北と北陸を巡って俳句を詠む。

曽良

芭蕉の弟子。「おくのほそ道」で芭蕉に随行する。

ワタシ

21世紀の英語翻訳者。「おくのほそ道」で芭蕉に同行してIT英語を教える。

これまでのあらすじ

21世紀への時間旅行を企てる松尾芭蕉は、旅行中の費用をプログラマーとして働きながら工面しようとする。しかし「プログラマー35歳定年説」を知ると断念し、代わりに年齢に関係ない英語スキルを「おくのほそ道」の道中で学ぶことにする。

芭蕉は出発前に住居を他人に譲り、旅立つ。江戸から北に向かい、日光東照宮などを経由して、那須温泉の殺生石を見物した。

不可能(5)と遊行柳

殺生石を見物した芭蕉たちは、平安時代の歌人・西行にゆかりのある遊行柳ゆぎょうやなぎに立ち寄る。

「柳」って、英語で何て言うんですか?

ワタシ

「willow」ですね。

あれは甘くて美味しいのう。ワシは羊羹よりも好きじゃ、ガハハハハ。

それ、ういろうでは……。

ワタシ

柳の下で休憩しながら英語の勉強をしますか。

今回も「不可能」の表現の続きです。「no longer」を使った構文です。まずはサンプル英文です。

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これを構文にしてみましょう。

<今回の構文>

[主語] can/will no longer [動詞].

[主語] は [動詞] しません。

サンプル英文を見ると、「no longer」の部分は単純に「not」にしても英文として通るんじゃないでしょうか?

ワタシ

はい、notでも英文としては問題ありません。no longerには「以前はそうだったが、これからは違う」というニュアンスがあります。そのようなニュアンスを出したいときに、notではなくno longerを使うとよいでしょうね。

よし、その構文を使ってみるか。

The detective group members can no longer use their special abilities.

探偵グループのメンバーたちは、もう特殊能力を使えない。

これでよろしいか?

ワタシ

はい、結構です。

(どういう意味……?)

◆  ◆  ◆

柳の下で休憩しているとき、芭蕉は一句詠んだ。

田一枚 植て立ち去る 柳かな

(柳の下で休んでいる間に、農民たちは一枚の田んぼを植えて立ち去ってしまった。)

…… 次回に続く

今回の地図

那須温泉の殺生石から、遊行柳へ。