※ 2016〜2018年まで弊社代表がTAUS Representativeだったため以下の解説文を掲載しています。現在はRepresentativeから退いています。


本ページではDQFの「エラー分類」と「重大度」を解説しています。2017/1/10時点での情報を基にした参考用であり、実際の利用時はTAUSの英語版ページをご覧ください。

DQFのエラー分類は2015年にMQMと統合されており、統合後のバージョン(DQF-MQM)を紹介しています。

DQF-MQMエラー分類

ID 上位レベル 詳細レベル 説明
1 正確さ(Accuracy)   仕様で容認する程度の相違を考慮に入れても、訳文が原文を正確に反映していない。
11   付け足し(Addition) 原文にないテキストが訳文に含まれている。
12   抜け(Omission) 原文にある情報が訳文から消えている。
13   誤訳(Mistranslation) 訳文が原文を正確に反映していない。
14   訳出過剰(Over-translation) 訳文は原文より詳細すぎる。
15   訳出不足(Under-translation) 訳文は原文ほど詳細ではない。
16   未翻訳(Untranslated) 翻訳すべき情報が翻訳されていない。
17   TM完全マッチの誤り(Improper exact TM match) 翻訳メモリー(TM)から完全マッチとして提示された訳文が誤りである。
2 流暢さ(Fluency)   翻訳かどうかを問わず、テキストの書式や内容に関する問題。
21   句読点(Punctuation) 当該のロケールやスタイルから見ると、句読点が誤って用いられている。
22   スペル(Spelling) 語のスペルに関する問題。
23   文法(Grammar) スペルや正書法ではなく、文法や構文に関する問題。
24   文法上のレジスター(Grammatical register) 敬称を用いるべき場面で親称の代名詞や動詞の形を用いるなど、文法上のレジスターに誤りがある。
25   不統一(Inconsistency) テキスト内に不統一がある。
26   リンク/相互参照(Link/cross-reference) テキスト内のリンクに不統一がある。
27   文字エンコーディング(Character encoding) エンコーディングの誤りのため文字化けが発生している。
3 用語(Terminology)   ある用語(特定分野における言葉)が、当該分野で期待あるいは指定されているのとは違う用語で訳されている。
31   用語集違反(Inconsistent with termbase) 指定の用語集と一致しない用語がある。
32   用語不統一(Inconsistent use of terminology) テキスト内で用語が統一されずに使用されている。
4 スタイル(Style)   テキストにスタイル上の問題がある。
41   おかしな表記(Awkward) テキストがおかしなスタイルで書かれている。
42   社内スタイル(Company style) 企業や組織が指定するスタイルガイドに違反している。
43   スタイル不統一(Inconsistent style) テキスト内でスタイルが統一されていない。
44   社外スタイル(Third-party style) 社外のスタイルガイドに違反している。
45   非慣用表現(Unidiomatic) 文法上問題ないが、非慣用表現である。
5 デザイン(Design)   情報の(言語面ではなく)デザイン面に関して問題がある。
51   長さ(Length) 原文と訳文の長さに大きな差がある。
52   一部フォーマット(Local formatting) 全体のレイアウトではなく、ある部分のフォーマットに関する問題。
53   マークアップ(Markup) マークアップ(テキストの構造やフォーマットの表現に使用するコード。タグとも)に関する問題。
54   非表示テキスト(Missing text) テキスト自体は存在するが、最終レイアウトで表示されていない。
55   文字切れ/はみ出し(Truncation/text expansion) 訳文を表示するのに十分なスペースがない。
6 ロケール慣習(Locale convention)   テキストは当該ロケールでルールとされる慣習に違反し、求められる形式で情報が表示されていない。
61   住所形式(Address format) 誤った住所形式を用いている。
62   日付形式(Date format) 当該ロケールには不適当な日付形式を用いている。
63   通貨形式(Currency format) 誤った通貨形式を用いている。
64   度量衡形式(Measurement format) 当該ロケールには不適当な度量衡形式を用いている。
65   ショートカットキー(Shortcut key) 翻訳済みソフトウェア製品のショートカットキーが、当該ロケールで期待されるものとは違う、または意味を成さないものとなっている。
66   電話番号形式(Telephone format) 誤った電話番号形式を用いている。
7 事実性(Verity)   実際とは一致しない内容が書かれている。
71   文化特有表現(Culture-specific reference) ある文化に特有の表現が用いられており、訳文の読者にとっては理解できない。
8 その他(Other)   その他の問題。

 

重大度

  重大度 説明
1 深刻(Critical) 健康、安全、法律、または金銭面で影響がある、各地の利用ガイドラインに違反する、企業の評判を毀損する、アプリケーションをクラッシュさせる、製品機能やサービスがネガティブに受け取られる、または不快感を与える可能性があるエラー
2 重度(Major) 意味内容が大きく違うこと、または目立つ部分や重要な部分に誤りがあることによって、ユーザーを混乱または誤解させたり、製品やサービスの正しい利用を妨げたりしかねないエラー
3 軽度(Minor) 意味が失われたり混乱や誤解を招いたりはしないが、読者の目に付いたり、スタイル上の質、流暢さ、または明瞭さを低減させたり、コンテンツの魅力を低下させたりし得るエラー
4 中立(Neutral) エラーとして数えない補足的な情報、問題点、変更点の記録に使う。例えば、レビュアーの好みのスタイル、繰り返し出現するエラーや実施前の指示変更/用語変更、翻訳者が関知しない変更など
5 称賛(Kudos) 期待以上の成果をほめるのに使う(※本項目はDQFでのみ利用され、MQMでは定義されていません。)