【第6回】調査:検索エンジンの使い方

※本連載は、弊社刊『アプリ翻訳実践入門』の一部をコンパクトに再編集したものです。

 

キーワード:検索演算子、完全一致、ドメイン検索

調査に必要な検索エンジン

本連載の第2回「アプリ翻訳者に必要な知識とスキル」で、翻訳者に求められるスキルの1つとして「調査」を挙げました。具体的には、辞書、コーパス、参考資料、検索エンジン、正規表現の使い方を身に付けておきたいところです。今回はそのうち「検索エンジン」の使い方について説明します。

検索エンジンを使うと、ウェブ上の情報そのもの(例えば製品のスペック)を調べる以外にも、言語表現を調査する目的で活用できます。日本語母語話者であれば、とりわけ日英翻訳時に英語表現を調べるときに重宝するでしょう。

Google検索の演算子

演算子を使うと、さまざまな条件を指定して検索ができます。Googleを使う場合にぜひ覚えておきたい基本的なものを表Aに挙げます。

演算子 効果
ダブル・クォーテーション(” “) 表現を完全一致で調べられる “available for download”
アスタリスク(*) ワイルドカード。ただしダブル・クォーテーション内で “available * download”
site:<ドメイン名> 指定ドメイン内で検索 “available for download” site:microsoft.com
マイナス記号(-) 検索語の除外。ドメインにも使える “available for download” -site:jp

表A(『アプリ翻訳実践入門』p. 63より転載)

英語表現の調査に使えるドメイン

ドメイン検索を使うと、検索範囲をあるドメイン内に限定できます。表Aの3つめ「site:<ドメイン名>」です。たとえばイギリスのドメインに限定したり、マイクロソフトのドメインに限定したりして、地域や組織で特有の言語表現を調査できるということです。

特に自分が書いた英語表現が実際に使われているか確認するのに便利なドメインをいくつか紹介しいます。表Bです。

ドメイン 説明
gov アメリカ政府機関のドメイン。硬めのきちんとした表現が期待できる
edu アメリカの大学を主とするドメイン。アカデミック英語表現を期待できるが、留学生の書く英語も多いので注意
ac.uk イギリスの学校のドメイン。同上
edu.au オーストラリアの大学のドメイン。同上
企業ドメイン ある企業特有の表現を調べられる。例:ibm.com、microsoft.com、apple.com
github.com アプリ開発プラットフォームGitHub のサイト。開発者が使う表現を調べられる

表B(『アプリ翻訳実践入門』p. 63より転載)

まとめ

  • 検索エンジンを使って言語表現を調べられます。検索エンジンを使いこなすために覚えておきたいのは演算子です。
  • ドメイン検索を使うと、ある地域や組織で特有の言語表現を調査できます。

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